メディアサイトにおける閲読行動と再訪性に関する調査
ログリー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:吉永浩和、以下ログリー)は、メディアサイトのユーザー定着度合いを分析し、育成・増加を支援するツール「Loyalfarm」を導入している約100媒体を対象に、メディアサイトの閲読行動調査を実施しました。
再訪率と回遊率は、メディア運営における重要な指標の1つです。流入元やコンテンツごとの再訪、サイト内回遊への貢献を把握することで、SEOやSNSといった誘導以外のPV数拡大施策を改善していくことも可能となります。今回、再訪率と回遊率がPV数とどのような関係にあるのかを調査しました。調査結果は、以下の通りです。
【調査結果のポイント】
■メディアサイトのPV数が多いほど再訪率※1・回遊率※2が高く、PV数と再訪率・回遊率に相関が認められた
■媒体カテゴリによって、サイト内の閲読行動に大きな差が見られる
■流入元でも、再訪率に差が見られる
【調査概要】
調査手法:Loyalfarmによるデータ取得
調査対象:オンラインメディア104媒体
調査期間:2017年9月1日~2017年9月30日
1.【月間PV数別】再訪率・回遊率比較
再訪率・回遊率は、月間100万PV以上のメディア、段階的に月間PV10万以上のメディア、それ以下のメディアの順で下がり、PV数との相関が認められました。
2.【カテゴリ別】再訪率・回遊率比較
メディアの再訪率・回遊率は、取り扱うカテゴリによっても大きな差が見られます。特にビジネス、エンタメ、趣味・ホビーのカテゴリで高く、ニュースポータルやグルメ、旅行のカテゴリでは低い傾向があります。
3.【流入別】再訪率比較
流入元別で比較すると、直前にいたサイトによっても再訪率に差があることがわかりました。Search経由の流入は再訪率こそ低いものの、構成比で見ると30%ものボリュームを占めています。一方、RSSは60%を超える非常に再訪性の高い流入元ですが、全体の中では1%に満たないことから、現状においてインパクトはあまり大きくない施策といえます。このように再訪率だけではなく、全体の構成比や量にも注視する必要があります。
また、本サマリーの中では取り上げていませんが、読了性やアテンションなどの熟読指標と、回遊率・再訪率にはあまり相関が認められませんでした。熟読指標は単体の記事を評価するためには有効な施策ですが、サイト全体のエンゲージメントを測るには、それだけでは不十分です。これらのことから、取り扱う記事のカテゴリや各種流入元の特性を理解した上で、再訪率・回遊率を計測・改善していくことがメディア運営において重要だと考えられます。
〈注釈〉
※1 全体UUに対する再訪UUの割合。再訪UU = 30日以内に2日以上訪問しているユーザー数
※2 全体UUに対する回遊UUの割合。回遊UU = 1セッション内で2PV以上見ていたユーザー数(違うページを見て初めて2PV以上とする。リロードなど同一ページを2回見ただけでは回遊と判定しない。1日内に同ユーザーが別セッションの中でそれぞれ回遊をしたとしても、カウントは1回のみ)
なお、本調査結果の詳細は「メディアサイトの閲読行動調査2017――100サイト横断アクセスログ解析サマリー」としてまとめております。また、媒体社やオウンドメディアを運営している事業者に対して、メディア運営支援サービスを提供しております。本調査結果やメディア運営支援サービスにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。